2021年7月3日、13時から15時までロールプレイシナリオ作り講座が実施されました。当日は、19名の方の参加者がありました。いつも参加されている方、お久しぶりの方、はじめましての方と・・・こんなにたくさんの方とご一緒するのは久しぶりだったので、いささか緊張気味にスタートです。
1.講座内容
最初に、ロールプレイを行う意義についてのお話をきいた後、ロールプレイの素材を①イシュー②ポジション③ニーズ④認知フレーム(当事者のこだわりとか大切にしていること、文化)を考えました。こちらは、ワークシートが用意されており、それに沿って検討していきます。参加者全員に問いかけながら、講座は進んでいきます。これまで当事者が主張していることは、「ポジション」なのか、「ニーズ」なのか、はたまた「認知フレーム」なのかを分けて考えることは、なかなか分かりづらいところもありました。しかし、ここをしっかり理解することで、紛争の構造がわかるようになると感じました。
その後、実際に参加者でロールプレイのファクトシートを作るためのワークシートを埋めていく作業を行いました。ここでは、先程検討した①イシュー②ポジション③ニーズ④認知フレームを考えるだけでなく、「当事者のこと(年齢・性別・性格など現在のことだけでなく、過去のことも)」、「事実」、「その事実の見え方(同じなのか違うのか、認識しているのか、していないのか)」など、細かなことを検討する必要があることを認識しました。そして、両当事者のワークシートを作成した後は、そこに矛盾がないように整理をしていく必要があることも分かりました。コツとしては、後から作ったロールシートから見ていくと疑問点に気づきやすいということでした。
最後に、実際にロールプレイのシートを作成するという課題が出され、作成してみましたが、なかなか難しいですね。。。ただ、今回の講座はロールプレイのシナリオを作るというだけでなく、調停人として紛争を理解するという点においても、非常に役に立つものであると思いました。
2.参加者のアンケートから
また、実際にメディエーターの役割をする時は場を支えるのに必死で、表に出ている価値観とニーズを区別し、協調関係を築いていくという流れを意識する余裕が全く無いので、今回の講義(予習も含めて)を受けた後に、過去の調停を振り返り、当時の当事者の価値観・ニーズを整理出来た気がします。
受講者参加型。自分(私)の頭の中で形がないまま(きっと)思っていることより少し前にあるものを、頑張って食らいついて前に進んでいく感覚・・・。頭ををフル回転して頑張りました!!
オンライン研修、今一つなものも多い中、久しぶりに「受けてよかった!」と思える研修でした。。
とても前向きなコメントが多くて、参加された方の満足度が高かったことが分かります。
3.担当のみちさんへインタビュー
それで、はじめのうちは自分がシナリオを作るときに気をつけてることをお話しして、その場でシナリオを一本作ってみようかなって、そういうワークショップにしようかなと思ってたんだけど、考えた末に思い切ってウエイトを置く場所を換えてみようって思いまして・・・。
シナリオ作るときに大事なことって結局コンフリクト(紛争)の構造を理解してるかどうかなんですよね。だったら、そのコンフリクトの構造(ポジションとかニーズとか)がよくわかるようなワークショップにすればいいんだっていうことで、今回のような講座に仕上がったというわけです。
このシナリオ作り講座では、その場で参加者からいろいろアイデアをだしてもらうコーナーをつくったんだけど、みなさんの発想は豊かで柔らかいなって思いました。メディエーションって一種の芸術なんで、頭が柔軟で発想が豊かにしておくってことはとても大事だと思うんですよね。かくいう私も30代くらいまでは頭が堅くて理屈っぽいコミュニケーションが苦手な人だと自他共に認めるような人物だったので、こういうメディエーションのトレーニングを通じて、われながらずいぶん頭が柔らかくなったなって思ってたりします。
これから視聴されるみなさんは、参加者になったつもりになってご覧になってみてください。そして、見てるだけじゃつまらないと思われた方もご安心ください。7月31日のトレーニングではロールプレイを実施します。ぜひとも積極的に参加してみてください。
※ インタビューは7月12日に実施しました。
参加者の方がたくさんいらっしゃって、緊張してしまって、写真をHPへ掲載する許可を取るのを忘れてしまったので、今回は写真なしです。ごめんなさい!
(篠田貴子)