ADRトレーニング

【7/12 インタビュー追加】ロールプレイシナリオ作り講座 実施報告

2021年7月3日、13時から15時までロールプレイシナリオ作り講座が実施されました。当日は、19名の方の参加者がありました。いつも参加されている方、お久しぶりの方、はじめましての方と・・・こんなにたくさんの方とご一緒するのは久しぶりだったので、いささか緊張気味にスタートです。

1.講座内容

最初に、ロールプレイを行う意義についてのお話をきいた後、ロールプレイの素材を①イシュー②ポジション③ニーズ④認知フレーム(当事者のこだわりとか大切にしていること、文化)を考えました。こちらは、ワークシートが用意されており、それに沿って検討していきます。参加者全員に問いかけながら、講座は進んでいきます。これまで当事者が主張していることは、「ポジション」なのか、「ニーズ」なのか、はたまた「認知フレーム」なのかを分けて考えることは、なかなか分かりづらいところもありました。しかし、ここをしっかり理解することで、紛争の構造がわかるようになると感じました。

その後、実際に参加者でロールプレイのファクトシートを作るためのワークシートを埋めていく作業を行いました。ここでは、先程検討した①イシュー②ポジション③ニーズ④認知フレームを考えるだけでなく、「当事者のこと(年齢・性別・性格など現在のことだけでなく、過去のことも)」、「事実」、「その事実の見え方(同じなのか違うのか、認識しているのか、していないのか)」など、細かなことを検討する必要があることを認識しました。そして、両当事者のワークシートを作成した後は、そこに矛盾がないように整理をしていく必要があることも分かりました。コツとしては、後から作ったロールシートから見ていくと疑問点に気づきやすいということでした。

最後に、実際にロールプレイのシートを作成するという課題が出され、作成してみましたが、なかなか難しいですね。。。ただ、今回の講座はロールプレイのシナリオを作るというだけでなく、調停人として紛争を理解するという点においても、非常に役に立つものであると思いました。

2.参加者のアンケートから

企画側として、シナリオを準備した経験が無いので、とても新鮮でした。
また、実際にメディエーターの役割をする時は場を支えるのに必死で、表に出ている価値観とニーズを区別し、協調関係を築いていくという流れを意識する余裕が全く無いので、今回の講義(予習も含めて)を受けた後に、過去の調停を振り返り、当時の当事者の価値観・ニーズを整理出来た気がします。
予習の動画もそうでしたが、メディエーションに対する姿勢や考え方が一貫していてとても分かりやすいと思いました。
調停人の思考が、シナリオ作りを通じて分析的に体験できると思いました。シナリオ作りを通じて調停人養成するコンテンツは日本初なのではないでしょうか。
「シナリオ作り」ということで、当初個人的にはあまり直接的な必要性がないかなと思ったが、参加者のレベルに合わせつつ、シナリオ作りの視点からもADRの在り方や着眼点を教えてもらえたのでとても良かった。時間もちょうどよかった。
今までのhoaトレで、見慣れた、ご講師の先生の、お顔でしたが、改めて、本日は、頼もしく思いました。また、メインのご講師様ばかりでなく、名波先生のように、注釈を入れてくれたり、鹿俣先生のように、リアクションをしてくれたり、陰ひなたになり、山崎A代表様、hoahoaの先生方皆様が、支えてくれていたと思うので、感謝しています。
何がいいかって、講義の進め方が良い!
受講者参加型。自分(私)の頭の中で形がないまま(きっと)思っていることより少し前にあるものを、頑張って食らいついて前に進んでいく感覚・・・。頭ををフル回転して頑張りました!!
オンライン研修、今一つなものも多い中、久しぶりに「受けてよかった!」と思える研修でした。。

とても前向きなコメントが多くて、参加された方の満足度が高かったことが分かります。

3.担当のみちさんへインタビュー

しのだ
しのだ
ロールプレイシナリオ講座、大変ためになる、そして面白い講座でした。ところで、今回の講座をつくるにあたって悩んだことを教えてください。
みちさん
みちさん
なにしろ思いつきが始まりの、聞いたこともないような講座ですからね。悩んだっていうか、なにやったらいいか、ホントに講座として成立するのか皆目見当がつきませんでしたから・・・。まあでも、どうぜhoahoaのコアメンバーとかが何人か集まってやるだけだろうから、思いつくままやったらいいんだろうと高をくくっていました。そしたら、トレーニング未経験者含む十人のひとが参加するっていうじゃないですか。かなりあせりましたね。
それで、はじめのうちは自分がシナリオを作るときに気をつけてることをお話しして、その場でシナリオを一本作ってみようかなって、そういうワークショップにしようかなと思ってたんだけど、考えた末に思い切ってウエイトを置く場所を換えてみようって思いまして・・・。
シナリオ作るときに大事なことって結局コンフリクト(紛争)の構造を理解してるかどうかなんですよね。だったら、そのコンフリクトの構造(ポジションとかニーズとか)がよくわかるようなワークショップにすればいいんだっていうことで、今回のような講座に仕上がったというわけです。
しのだ
しのだ
そのことが、調停人として紛争をどんな風にとらえたらいいのかということにもつながって、シナリオ作りだけでなく、調停人のトレーニングとしても大変参考になるものでした。ところで、当日の参加者の様子から受けた感想を教えてください。
みちさん
みちさん
予習コンテンツを見てから参加される方が多くてたいへん助かりました。ニーズのこととか一から説明しなくてよくって・・・。それから「シナリオ作り」っていうことにチャレンジしてみたいっていう参加者が思いの外多くてちょっと驚きましたね。自分たちでそれなりに質の高いトレーニングしようと思ったら、どうしてもシナリオがいるし、できあいのシナリオは数も少ないので、そのうち自分たちでつくらないとってことになるんですよね。だから、シナリオ作りに調整してみたいっていう方がいらっしゃる司法書士のメディエーション文化は、まだまだこれからなんだなって思えました。
このシナリオ作り講座では、その場で参加者からいろいろアイデアをだしてもらうコーナーをつくったんだけど、みなさんの発想は豊かで柔らかいなって思いました。メディエーションって一種の芸術なんで、頭が柔軟で発想が豊かにしておくってことはとても大事だと思うんですよね。かくいう私も30代くらいまでは頭が堅くて理屈っぽいコミュニケーションが苦手な人だと自他共に認めるような人物だったので、こういうメディエーションのトレーニングを通じて、われながらずいぶん頭が柔らかくなったなって思ってたりします。
しのだ
しのだ
今回は、シナリオを作るという課題が出ましたが、なかなか難しかったです。相当頭を柔らかくして取り組みました(笑)。みなさんから、提出された課題を見た感想を教えてください。
みちさん
みちさん
いまのところ、三人の方から課題をご提出いただいています。提出していただいた課題は、どれも私がお話ししたポイントをしっかり押さえていただいて、少し手直しすれば十分に使用できるものばかりでしたね。そのうちお二人のシナリオは、シナリオ作り講座のワークショップのときに、みんなでアイデアを出し合ってつくったストーリー骨格をベースに立派なシナリオにしてくださったものでした。おんなじ素材でもこんなに違うものができるのかとちょっと驚きましたね。もう一人の方のシナリオは完全なオリジナルで、日常風景を扱ったものでした。このシナリオはもしかしたら7月31日のトレーニングでお披露目するかもしれませんよ。
しのだ
しのだ
それは楽しみですね。当日参加された方、これから視聴される方へのメッセージをお聞かせください。
みちさん
みちさん
参加されたみなさまにはありがとうございました。Zoomなどを利用したオンライン講座ってたくさんあると思うんですが、参加型の講座って案外少ないような気がしています。せっかく双方向コミュニケーションツールの使うのだから、参加者のみなさまにできるだけお話ししてもらおうと思っていろいろ工夫してみましたが、いかがだったでしょうか?参加者のみなさまは、最初はホントに自分が話してもいいのかなという感じでしたけど、終わりのほうではいろんなアイデアを出してくれるようになってとっても助かりました。
これから視聴されるみなさんは、参加者になったつもりになってご覧になってみてください。そして、見てるだけじゃつまらないと思われた方もご安心ください。7月31日のトレーニングではロールプレイを実施します。ぜひとも積極的に参加してみてください。
しのだ
しのだ
7月31日に向けて、準備のお忙しい中、ありがとうございました!

※ インタビューは7月12日に実施しました。

こっそり・・・

参加者の方がたくさんいらっしゃって、緊張してしまって、写真をHPへ掲載する許可を取るのを忘れてしまったので、今回は写真なしです。ごめんなさい!

(篠田貴子)

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