ADRトレーニング

【7/12 インタビュー追加】聴く講座 実施報告

2021年7月8日、18時から20時まで聴く講座が実施されました。当日は、14名の方の参加者がありました。前回のトレーニングから引き続きご参加の方もいらっしゃいましたし、また、今回のみのご参加もおられました。
今回も、HPへの写真掲載のお願いを忘れてしまい、今回も写真がないという。。。文字だけでどこまで伝わるかわからないですが、頑張ります。

1.講座内容

最初に、「メディエーターとして聴く」ことについてのお話がありました。メディエーションの場は、主役が当事者であり、メディエーター自身が解決する場ではないということや、当事者をありのままに受け止めるという話も、頭ではわかっているものの、実践することは改めて難しいと感じました。

そして、聴くスキルについて、考えました。
①「非言語」を観察する
非言語とは、表情、目線、声、体の向き、姿勢など言葉で表せないものです。これまで、対面での非言語を考える機会はありました。今回は、ここ1年半で主流となった非対面での非言語を考えるワークも行いました。対面とは、見える部分、見えない部分に違いがあることが分かりました。
ここでは、2人1組となってワークを行いました。
「楽しい話をするのに聞き手の反応がある場合とない場合の話し手の受け止め方」の違いをワークを通じて、考えました。楽しい話をしているのに相手が全く無反応(画面オフ)だと、相手の反応が分からないので、不安な気持ちになってしまうこと。一方、相手のうなづきがあるだけで、ちゃんと聞いてもらえているという感覚を持てるということが分かりました。非対面だと、対面と違って、温度感が伝わらないと感じることがあり、非対面であるからこそ対面以上に反応が必要なのではないかと感じました。

②開かれた質問と閉じた質問
開かれた質問とは答えがいくつもある質問で閉じた質問は「はい、いいえ」でこたえられる質問のことです。ここでは、閉じた質問を開かれた質問にするワークを行いました。

③受け止めるスキル
ここでは、当事者の発言を肯定も否定もせず、ただ受け止め、それを伝えることを考えました。受け止められたということを伝えるスキルとして、当事者の発言を「繰り返す」、「要約する」、「言い換える」があり、それらをみんなで練習しました。

④フレームを揺さぶるスキル
ポジティブな言葉を繰り返すことや、関係性にフォーカスすることで、当事者の見え方を変え、対立関係から協調関係へ変化することを学びました。2人1組となって「ネガティブな話をするのをポジティブに言い換える」ワークを行いました。ネガティブな話なので本当であれば、人には言いたくない話なのに、ポジティブに言い換えてもらえるので、どんどん人に言いたくなっちゃうという不思議な感覚でした。別の側面を見せてもらえることで、そんなに悪いことじゃないんじゃないかなとも思えるようになりました。また、私たちは普段人をほめるということを行っていないので、ポジティブな言葉のボキャブラリーが少なく、その言葉をたくさん持つということが大切ということにも気づきました。

よりよいメディエーターとなるためには、日々の生活から学べることも多いなと感じました。がなかなか実践は難しいよね。。

2.参加者のアンケートから

全体的にポジティブな雰囲気の講義で、楽しく受講できました。やはり人の良い点に目をむけなきゃいけないな、と痛感しました。
短い時間の中で聴くスキルのポイントがわかりやすく伝わりました。
調停の場に限らず、あらゆる場面で人と接する上で必要な内容でした。
途中、zoomでの非言語部分の印象の伝わり方を教えていただきましたが、カメラワークなど意識されていることを感じました。
ご講師の先生が、フレームを揺さぶるスキルのところで、知り合いの人のメディエーターさんが、関係性と、共通点にフォーカスして、話をいくつもまとめていた、という、お話を聞き、これは、組織が、円満に、継続するためにも、使えるかも、と思いました。貴重な、話をお聞かせいただいたので、感謝しています。
実践の話も聞けて面白かったです。

今回も、前向きなコメントが多くて、参加された方の満足度が高かったことが分かります。

3.担当のみちさんへインタビュー

しのだ
しのだ
聴く講座、あらためて、調停人として「聴く」ということの難しさを感じました。ところで、今回の講座をつくるにあたって悩んだことを教えてください。
みちさん
みちさん
こちらの講座は、これまでやってきたことをオンラインでやるだけなんで、実はあんまり悩みませんでした。ただ、いつもはレジュメをいいものにしようとがんばるんだけど、オンラインだとレジュメばっかり立派でもしょうがないなって思って、できるだけコンパクトなものにしようと心がけました。まあ絵も少しはいれたんですけど・・・。
実はこの講座って2時間だとホントはキツいんですよ。それはいつもの対面の講座でもおんなじで、どこを重点的にやろうかって、そこはいつもいつも悩むんですよね。今回ははじめてオンラインでやるっていうことなんで、「オンラインでの非言語」は避けて通れないなって思いました。あと、いつも時間切れで十分にできないパラフレーズは、なんとかしてやってみたいし、リフレーミングもさわりだけでもやりたいなって・・・。
でもやっぱり一番大事なのは「スキルとはなにか」「そのトレーニングの重要性」っていうところ・・・。ここをしっかりと納得してもらえるように工夫しようって思いました。
しのだ
しのだ
みちさんの当日の様子からも、まだまだネタはあるぞって感じでしたね(笑)。ぎゅぎゅぎゅっと大事なことが詰め込まれた講座でいい意味でおさらいできて、繰り返しになりますが、聴くことの難しさを確認しました。
当日の参加者の様子から受けた感想を教えてください。
みちさん
みちさん
とても楽しんで参加していただいたんじゃないかなって思っています。それから、自分のコミュニケーション上の弱点にいろいろな気づきを得てくださった方もたくさんいたように思います。
ワークショップでなによりも大切なことは、なんらかの「気付き」を得ていただくこと。耳で言葉を聞いて理解するだけではなく、やってみて自分が意外と得意だっていうことに気付いてもらったり、ここが苦手なんだなって気付いてもらったり、ひとつでもそういうことがあれば参加していただいた甲斐があったのではないでしょうか。
とにかくみなさん熱心に参加してくださったので、とても充実した2時間10分になったって思います。ありがとうございました。
しのだ
しのだ
当日参加された方、これから視聴される方へのメッセージをお聞かせください。
みちさん
みちさん
お忙しい時間を割いて参加してくださったみなさまにはお礼申し上げます。講座の中でもお話ししたんだけど、この講座で取り上げたスキルっていうのは所詮スキルなので、これだけできてもなんにもならないんですよね。でもそれができないとスタートしない。でもって、こういうコミュニケーションスキルって、一朝一夕には身につかないから、何度もトレーニングしてもらわないといけないんだけど、トレーニングさえすれば、わりと確実に身につけることができるんですよね。だからできるだけたくさんのみなさんに、しっかりと身につけてもらえるような、こういう機会をもっともっと増やせたらいいなって思ってます。
これから視聴するみなさんに気をつけていただきたいのは、こういうコミュニケーションスキルのトレーニング講座ってその場に参加してみないとわからないところがあるんですよね。そういうふうにつくってますし。だから、ぜひそこに参加者として参加しているつもりになって、主体的に参加してみてほしいなって思います。そして、見てるだけじゃつまらないと思われた方もご安心ください。7月31日のトレーニングではロールプレイを実施します。ぜひとも積極的に参加してみてください。
しのだ
しのだ
7月31日に向けて、準備のお忙しい中、ありがとうございました!

※ インタビューは7月12日に実施しました。

(篠田貴子)

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